徴兵制について自分用メモ。明治35年の徴兵制度資料より。
徴兵検査の時期
4月中旬〜9月頃まで
現役兵の年齢
徴兵年齢はその年の1月〜12月までに満20歳になるものが相当する。
例)明治38年に徴兵適齢に相当する者
- 明治18年2月生の者
- 同18年3月生の者
- 同18年4月生の者
- 同18年5月生の者
- 同18年6月生の者
- 同18年7月生の者
- 同18年8月生の者
- 同18年9月生の者
- 同18年10月生の者
- 同18年11月生の者
- 同18年12月生の者
- 同19年1月生の者
身体検査
1.身長測定
- 服を脱がし裸体にさせる。褌はつけてもよし。メガネは外す。
- 身長計の柱で測定。
- 5尺3寸6分7厘の場合は四捨五入して5尺3寸7分とする。
2.視力検査
- 斯涅児連氏試視力表を用いて検査する(現代のCの穴の空いてる方を見る表に近い)
- 徴兵逃れのために虚言を吐けば厳罰
- 弁色力(色を正しく見られるか)検査をすることがある
3.精神・聴覚の検査
- 聴覚検査用の1間にて検査を行う。湿らせた指を一方の耳に堅く入れて塞ぎ、検査官が名前や出身等を聞き聴覚と同時に応答に問題がないかを検査する。
4.一般構造検査
- この検査は身体の全部を見るものである。検査官の前に裸の状態(褌はつけて良い)で立たせる。検査官は顔から顎、胸、陰部、手足を検査して後ろを向かせ、背部の方から手足の後面、足の裏等を見て全体の出来が良いか悪いか、皮膚病はないかなどを検査する。
5.関節運動の検査
- 関節というのは主に手足の節。手首、肘、膝など。
- 首を屈めて上下に仰向くことができるか、俯くことができるか。
- 口を開閉してこめかみに問題ないか。
- 体を前後に反らせたり屈ませたり左右に傾けて前後左右に向けて差し障りないか。
- 肘を伸ばしたり縮めたり前後左右に振り回して問題ないか。
- 足も同じように膝を伸ばしたり股の関節を回したりして問題ないか。
- 少し歩かせつま先立ちで立たせ、上記合わせ全体の関節が完全であるかを見る。
6.各部検査
- 頭:大きさの確認。突き出たり凹んだところはないか、傷跡や腫れ物はないかの確認。
- 目:目の開閉具合、まつげの有無、大きさ等の確認。
- 鼻:大きさ、形、鼻の通り、鼻の中の腫れ物等の確認。
- 口:唇から舌、口蓋、喉、歯等を見て呼吸が臭わないかの確認。
- 耳:耳輪から耳の中、耳の垢の確認。
- 首:周囲に腫れ物や傷、いぼなどがないか確認。
- 胸:長さ、広さ、厚さ、骨の具合を見て心臓や肺の運動の検査をする。
- 腹:腹の中の具合からヘソを確認。
- 背骨、腰骨の確認。
- 手:両手を伸ばして合わせ、左右の長さに違いがないか、手のひらや指に以上はないかの確認。脇の臭いの有無を確認。
- 足:手同様に長さの確認と、筋が出ていないか、過度に肥大していないか等の確認。
- 陰部:褌を取らせ、陰茎の尿口・睾丸・副睾丸の有無、睾丸が肥大していないか等を確認。
- 肛門:反対側を向かせ、頭を下げ肛門を出して、痔や脱肛等を確認
入営時期
現役兵は12月1日
歩兵隊兵員徴集区指定表
全国各師団の歩兵隊は各連隊毎にその師管内の1連隊区(第一師団は2連隊区)から徴集する。歩兵隊は人数が多いため予め徴集するところが決まっている。
北海道の第七師団の兵は第一、第二、第七、第八師管のうちから徴集することになっている
第一師団
連隊 |
連隊所在地 |
連隊区 |
第1連隊 |
東京 |
麻布、横浜 |
第15連隊 |
高崎 |
高崎、永野 |
第2連隊 |
佐倉 |
佐倉、水戸 |
第3連隊 |
東京 |
本郷、宇都宮 |
第二師団
連隊 |
連隊所在地 |
連隊区 |
第4連隊 |
仙台 |
仙台 |
第29連隊 |
仙台 |
福島 |
第16連隊 |
新発田 |
新発田 |
第3連隊 |
村松 |
柏崎 |
第三師団
連隊 |
連隊所在地 |
連隊区 |
第6連隊 |
名古屋 |
名古屋 |
第33連隊 |
名古屋 |
津 |
第18連隊 |
豊橋 |
豊橋 |
第34連隊 |
静岡 |
静岡 |
第四師団
連隊 |
連隊所在地 |
連隊区 |
第18連隊 |
大阪 |
大阪 |
第37連隊 |
大阪 |
若山 |
第9連隊 |
大津 |
大津 |
第38連隊 |
伏見 |
京都 |
第五師団
連隊 |
連隊所在地 |
連隊区 |
第11連隊 |
広島 |
広島 |
第41連隊 |
広島 |
尾道 |
第11連隊 |
浜田 |
浜田 |
第42連隊 |
山口 |
山口 |
第六師団
連隊 |
連隊所在地 |
連隊区 |
第13連隊 |
熊本 |
熊本 |
第45連隊 |
鹿児島 |
鹿児島 |
第23連隊 |
熊本 |
宮崎 |
第46連隊 |
大村 |
大村 |
第八師団
連隊 |
連隊所在地 |
連隊区 |
第5連隊 |
青森 |
盛岡 |
第31連隊 |
弘前 |
弘前 |
第17連隊 |
秋田 |
秋田 |
第32連隊 |
山形 |
山形 |
第九師団
連隊 |
連隊所在地 |
連隊区 |
第7連隊 |
金沢 |
金沢 |
第25連隊 |
金沢 |
富山 |
第19連隊 |
敦賀 |
岐阜 |
第36連隊 |
鯖江 |
江江 |
第十師団
連隊 |
連隊所在地 |
連隊区 |
第10連隊 |
姫路 |
姫路 |
第40連隊 |
鳥取 |
鳥取 |
第20連隊 |
福知山 |
福知山 |
第39連隊 |
姫路 |
神戸 |
第十一師団
連隊 |
連隊所在地 |
連隊区 |
第12連隊 |
丸亀 |
丸亀 |
第43連隊 |
丸亀 |
徳島 |
第22連隊 |
松山 |
松山 |
第44連隊 |
高知 |
高知 |
第二十師団
連隊 |
連隊所在地 |
連隊区 |
第14連隊 |
小倉 |
小倉 |
第47連隊 |
小倉 |
大分 |
第24連隊 |
福岡 |
福岡 |
第48連隊 |
久留米 |
佐賀 |